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概念設計

そろばん型表示カウンタ

 電子サイコロに使った74HC174がたくさん余ったので,何か使い道がないかと考えました。
 74HC174はカウンタに使えるのですが,デジタルの数値表示には不便な構成です。
 2個使って10進カウンタにしてLED表示させようとすると,LEDの数が「ウワッ!」と思うほど増えてしまい,数えにくくなるとともにコスト高にもなります。
 そこで思いついたのが,日本が誇るそろばん表示。これで,うまく行きそうです。
 まずは,概念設計をしてみました。1999までのカウンタとすることで,ICの割り振りもうまく行きそうです。
 プリセットができるようにしたら,3桁までですがそろばんの足し算の原理も,子どもに教えてあげられるようになりました。
 
 ところで,手動のカウンタで注意しなければいけないのが,スイッチのチャタリングです。フリップフロップ(FF)で完全に
除去したかったのですが,このカウンタの用FFに操作感覚,価格ともに満足できるスイッチを探すことができませんでした。
 したがって,CR積分回路とシュミットトリガインバータによる簡易チャタリング防止になっています。

 この後,構成が変わっていく可能性はありますが,概念図を載せておきます。
 回路図を起こしてみましたが,電気的には特に問題なさそうです。(概念設計でも述べた,チャタリングの不安は別として。)
 問題なのは,プリントパターンまで考えたときに,ジャンパーがやたらと多くなることです。
 これは,賞品として他人に作ってもらう場合,まずいことです。
 プリント基板で,ICのピンの間に1本配線できれば,ジャンパーの数をぐんと減らすことができます。
 このピン間の配線は,普通に行われているようなのですが,自分では無理だと思っていました。しかし,今回はこれに挑戦してみようと思います。

回路図

 おおむね,意図した動作になりましたが,いくつか問題がありました。
うまく行った部分
 ・カウンタとしては,ほぼ計画通りに動作しました。
 ・スイッチのチャタリングの影響は見られなかった。
 ・プリント基板加工で,ICのピン間に1本配線することは問題なくできた。
困ってしまった部分
 ・1000を表示するR11が,1500を超えると消灯してしまう。(良く考えると,そうなる回路になっています。)
 ・桁上がりが起きた時に,足し算計算用のスイッチが働かなくなることがある。(これも回路図どおり)
 ・算盤の四つ玉の方の黄色のLEDが,各桁1個ずつしか点灯しない。本当は,3とか8とかの時は,黄色のLEDが3個点灯するつもりでいた。(これも回路図どおり)
 ・LEDが点灯していないときは,殆ど電池を消耗しないだろうと思い電源スイッチを省略したが,10日程で電池が消耗してしまった。(古い電池ではあったが)。
 ・環境対策のために,今回から使った市販のエッチング液が高価なため,びっくりするような高価な基板となった。
  性能表示されている基板面積の,6分の1しかエッチングできなかった。この原因は,温度管理をしていないこと,基板外周に無駄なエッチング部分が生じたことなどのためで,メーカーのせいではないと思いますが,痛いです。試作基板は2枚できたのですが,1枚1200円程になり参りました。
結論
 コスト面から,失敗作と考えざるを得ないようです。
 ただし,技術課題をクリアさせたいので,修正基板を作り,完成までは持っていくつもりです。(コスト無視で)
 そして,中学生には大分受けたこともありますし,せめて,引き算くらいできたらとも思いますので,PICマイコンに慣れた時点で,マイコンで挑戦してみたいと思います。それで基板面積を半分にできれば,相当に安価にすることができるのですが。

試作結果

 問題点に対応して,回路を修正しました。
問題1. 1000を表示するLEDが1500を超えると消灯。
 
基板にぎりぎり74HC74を追加して,2999まで数えられるようにして解決。
問題2. 桁上がりが起きた時に,足し算計算用のスイッチが働かなくなることがある。

 
桁上がり信号がある期間Hiのまま保たれるため,スイッチによるHiの信号に無感になることが原因。CR微分による1ショット信号として解決。
問題3. 電池の消耗が予想より早い。。
 
電池が古かったこと,保存時の回路ショートなども考えられ,現時点で設計のせいとは断定できないが,とりあえず電源スイッチを追加。

 以上の対策をして,バラックで実験をしたらうまくいきました。
 なお,算盤の四つ玉の方の黄色のLEDが,各桁1個ずつしか点灯しない問題は,これを解消しようとすると大掛かりとなるので,目を瞑ることとしました。
 

設計修正

改定回路